投稿日:2008-08-05 Tue
「震度(階)」とは気象庁が発表している地震の揺れたかをあらわす指標値なんですが、1995 年までは気象庁職員の体感で決めていた主観による「印象評価」でした。阪神淡路大震災を契機として1996 年にやっと震度計により観測するシステムに切り替わったということを前回記事で書きました。では観測所では実際に何を測っているのでしょう?
■□ 実は「地震計」と「震度計」がある □■
地震が発生すると震源で解放されたエネルギーが振動として伝わります。これが地震波です。地震計は、この地震波による地表の振動を3次元方向について観測するための計器です。
地震計では質量が大きければそこにとどまろうとする「慣性の法則」を利用して、地面の動き(変位)を記録します。地震計の指針の先がペンになっていて自動筆記していく様子は報道画像などでよく見かけますが、あれは慣性の法則を利用しているのです。
ですから、地震計の中の重り(振り子)部分の固有周期を十分長くすることで、地面の動きに追従してしまわないようにしてあります。確かに地震計では地面の移動(変位)量を測定していました。
※固有周期って分かりにくいですね。こちらの記事を参照してください。
さて、ここからがややこしいのですが、地震観測では、地面の揺れ方を測る「地震計」とは別に、地震による揺れの度合いを算定する「震度計」が使われています。震度計(加速度計)は地震計の仕組みと一緒なんですが記録紙には、振動の距離ではなく、振動の加速度が記録されます。
では、なぜ加速度を観測するのでしょう?
■□ なぜ地震の加速度を観測するのか? □■
ニュートン力学では「力=質量×加速度」という公式の通り、加速度が大きいということはそれによって生じる力も大きくなります。「地震によって生じた加速度」を調べれば建物に作用する力が分かるという理屈です。そこで地震では最大加速度が問題とされるのです。
もともと我々建築家が耐震設計上で問題としたのは、ほとんどの場合地震によってもたらされる水平方向の加速度でした。最近では、免震や制震といった概念が一般化して、この状況が大きく変わってきたわけですが、それは皆さんもご存知のとおりです。
前述のように加速度の想定は、建物の耐震性を検討する際の重要な指標のひとつとなっていますが、これはあくまで原則です。震度階級と地震による被害が一致していないわけですから。
その辺を次回記事で、もう少し掘り下げてみましょう。
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