投稿日:2008-08-01 Fri
■□ 静岡県の耐震診断補強相談士の資格講習 □■
今日は静岡県の「耐震診断補強相談士」の資格取得講習会へ参加してきました。昨日お約束した「震度」階級の話題はまたまた延期です。ごめんなさい。参加人数は約300名。建築に限りませんが景気悪いですから営業戦略上欲しい資格ということでしょうか?
盛況でした。それとも東北地方で繰り返す大地震の影響で、次は東海地震か?という不安の表れなのか。
今回、新しい情報もいろいろ入手しましたが、それは追々お伝えすることとして、今日の講習会の模様を少し書きましょう。講師の先生には、日本の木造建築構造の権威である坂本功氏もいらっしゃいました。現在、慶応大学で後進を育てていらっしゃるそうですが、いかにも大学で勉強を教えているといった感じの学者然とした方でした。ネットで氏を検索すると論敵も多いことがわかって、なるほど権威者というのも大変だななどとも思ってしまうわけでした。
■□ 権威者である以上に説得力のあるものとは何か? □■
坂本先生の講義で、いくつか印象に残ったことをここに記しておきます
●よく言われることだが建築基準法は耐震性能に関しては最低基準をうたっているに過ぎない。
●1995年の阪神淡路大震災のときの地震波はこの最低基準の想定の1.5〜2.0倍であろうと個人的には思っている。
●伝統的工法(田の字型間取りで壁が極端に少ない近代以前の木造のつくり)では、地震波のエネルギーを節点でうまく吸収する優れた構造だが、理論、実験、地震による被害と、そのすべてにおいて、いわゆる現代の在来軸組み構造にくらべ不利であることが残念ながら分かってしまった。
●耐震診断では震度6強から震度7の地震波を想定してその評点を決めている。実は診断上「一応倒壊しない」とされる評点1.0の耐震性能では阪神淡路クラスの地震波で倒壊してしまう。相当余力を持って耐震改修計画をしたほうが良いと思われる。
以上のように、坂本先生は総じて「耐震基準がまだまだ甘い」と考えていらっしゃるようだ。
さらに驚いたことには、このブログで繰り返しお伝えしている実物大振動台実験施設「E−ディフェンス」での築30年程度の木造住宅の破壊実験だが、なんと坂本先生がリーダーになって進めたというではないか。やはり、理論とペーパー上のデータだけでは説得力が欠けるというのは、このご本家自身が一番気にしていたらしく、この実験の模様の動画を繰り返し流したのが象徴的であった。私の主張は正しかったのだ。ばんざーい。
この実験の詳細な説明をご自身の言葉でリアルタイムにきけたのは本当にラッキーであった。あの場にいた300人のうちで私ほど感激したものは他にいまい。
●この実験で用いた地震波は阪神淡路の震災時に採取されて物で、それを3次元で再現しています。実は耐震補強した住宅と、されてない住宅を並べて実験しましたが、補強されたものも倒壊するのではと心配でした。
●耐震改修されていないものは耐震診断の評点0.5です。一方、改修されたものは評点1.6です。阪神淡路の揺れというのは、先ほど申しましたとおり、1.5倍から2.0倍のエネルギーを持っていると考えますので評点1.6といえども倒壊する可能性はあるわけです。
(この間にもビデオデータは繰り返し流され、画面上の住宅は土煙を上げて倒壊を繰り返している)
●この揺れの中で7秒で倒壊に至ってます。その短時間で、逃げれると思いますか?建物が完全に倒壊に至らない耐力を持つことが大切なのです。
今日はここまでです。来週またお目に掛かりましょう。
![]() | 木造建築を見直す (岩波新書) (2000/05) 坂本 功 商品詳細を見る |
☆☆ このブログでは コメント、トラックバック大歓迎です。 ☆☆
コバヤシ建築の「木の家」 【www.kigumix.com】では建築画像をどっさり公開中 
△ PAGE UP

