投稿日:2008-06-26 Thu
■□ 高気密化について懐疑的な建築家が多い □■先日の記事では、夏の強い日差しで妬けた屋根から室内に放射される熱を遮るためには板状の高性能断熱材を使い、屋根面の裏側に通気層を作ることによって煙突効果で外へ廃熱するのが、今現在の住宅建築において主流をなすであろう方式であり、これにはコストと手間が掛かるということをお話しました。
今回記事では、もう少し突っ込んで高気密高断熱の話をしますが、これは非常に微妙で繊細な話になります。もしかすると、賛同いただけない場合もあるかと・・・。でも誤解を恐れずに話してみたいと思います。
実は高断熱化の鍵は建物の高気密化にあります。
建物の高気密化を追求するというのは非常にテクニカル的なことで、断熱層を建物の構造の外側に設ける外張り断熱工法を採用し、隙間を作らないよう丁寧に作業していけば、一定の気密性能を実現することが出来ます。非常にシンプルな方法論で実現までの方向性が容易にイメージできるわけです。ここに落とし穴があります。私も現場マンとして高気密高断熱化を建築的に追求してみたい時期もありました。
しかしながら、住まい方とか、環境のこととか、子供たちの将来のこととか、より自然に生きて死んでいくこととか、いろんなことを考えてみると住宅の高気密化に関しては懐疑的にならざるを得ないのです。
■□ 高気密高断熱住宅は暑苦しいというのは本当か □■
友人からのメールにもありました、三井ホームなどは2*4パネル構造で基本的に高気密化しやすいので、三井さんに限らず2*4系のハウスメーカーは一般的に高気密高断熱を販売の売りにする傾向があります。
高気密高断熱住宅では
●通年して生活エリアの温熱環境が安定させることが出来る
●建物内部で部屋による温度差が少ない
●冷暖房コストが小さい
●躯体内の温度差が小さいので結露が起こりにくく湿気による木部の腐朽が起こりにくい
などいいことづくめのようですが、一般にいわれる高気密住宅レベルを実現するためにはビニールシートで建物を覆ったり、釘穴を気密テープで塞いだりする必要があるほどで、これらの建物は機械による計画換気を前提としています。すなわち1年を通して機械的なフレッシュエアーの供給や温度管理をしなければならないといったデメリットがあるということを意味します。分かりやすくいうと魔法瓶の中で暮らすような感じです。特に夏場、一度建物内に蓄積された熱を排出するのは容易ではありません。
日本では四季のうつろいが豊かであることは自明なのですが、そもそも夏の暑さ対策と冬の寒さ対策を両方満足するようなしくみを考えるのは非常に難しいことです。両刃の剣なのです。
高気密高断熱化は消費者にとっても非常に魅力的で訴求力のあるアイデアですが、もう少し落ち着いて考える必要がありそうですね。
次回の記事では高気密高断熱住宅について、さらに掘り下げてみようと思います。
高気密高断熱化の他に方法はないのでしょうか?一緒に模索してみましょう。
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