投稿日:2008-06-23 Mon
■□ 屋根断熱には高性能の断熱材と通気層を設けるべし □■住宅展示場を回遊して住宅を研究している友人からメールを頂きました
> ●●ホームは全館冷暖房設備を導入しており、高断熱化の一環として
> 屋根下に(各種メーカが最近採用しているらしい)発砲スチロールのような
> 断熱材を標準で組み込むとのこと。
> たしかによい天気ではありましたが、とても涼しい屋根裏でした。
当社だって負けてませんよ。
一般の方が夏の盛りに屋根へ登る機会はそうめったにないと思いますが、本当に目玉焼きが出来るのではないかというほどの温度になります。諸条件がそろうと屋根面の温度は恐らく90度くらいまで達しますが、この自然エネルギーを太陽熱温水器では水からお湯を沸かすエネルギーに利用しているわけです。理屈では屋根面の温度を上げる代わりにお湯を沸かすのですから、同時に建物内の室温の上昇を和らげる作用もしているはずです。
このように屋根面と小屋裏空間の熱容量が大きく、これが蓄熱体となり輻射熱としてじわじわと放熱するわけで、エアコンも効かずとにかく暑いわけです。頭の上に火鉢をのせているようなものです。
これに対処するには前述のように屋根面の熱エネルギーを転用するか、あるいは熱が室内側に伝わりにくいように屋根面で遮熱するしくみが欲しくなります。当社は標準仕様で、高性能断熱材による屋根断熱と同時に屋根構造に通気層を設けて廃熱させる方法を選んでます。
左画像:ネオマフォーム断熱材を垂木下へ打ち上げた様子たくさん画像が残っていそうで割合撮影していない屋根断熱の様子。屋根を構成する垂木という部材間の隙間が通気層になり、屋根面に沿って熱せられた空気が上昇して外へ排出される。煙突と一緒の原理。
ホームページで岡部町「Tさんの家」を見る
左画像:瓦屋根のときに排熱する通気スリット瓦葺きは本来、野地板との間に出来る隙間で通気して熱を逃がしているが、陶器という素材の熱量が大きいため蓄熱材となっている。まさに焼け石だ。逆に冬は暖かく保ってくれるともいえる。これは断熱を考える時必ず陥るジレンマ冬と夏の逆転だ。諸刃の剣なのである。
この設計はコストも手間も掛かるのでローコスト住宅メーカーでは出来ない仕様ですが、理にかなった方法です。現在、しっかりした家づくりを目指すビルダーではこの方法を採用していることが最も多いと思います。ビルダーを見分ける判断材料にもなりますので、営業マンさんに尋ねてみるといいですよ。
「屋根の断熱のしくみはどうなってますか?」って。
この質問に明快に答えられない営業マンは勉強不足ですね。
屋根面の断熱材には旭化成のネオマフォームを使ってます。
単価は少々張りますが、薄さに比べて断熱性能が高いこと、燃焼時の発生ガスも少なく発火せず炭化すること、丈夫で扱いやすいこと、グラスウールのように湿気を含んで断熱性能が劣化することがないなどの理由で選んでます。屋根面の裏側に通気層を設けるにはうってつけの素材です。
高性能断熱材ネオマフォーム をメーカーのサイトで詳しく調べるまたSE構法を採用した現場では、ポリスチレンフォーム3種をOSB合板でサンドイッチ構造にしたSE−R屋根パネルを使ったりもしています。
それぞれの熱抵抗値を調べてみました。(数値が大きいほど熱を通しにくい)
ちなみに熱伝導率は材料厚みに関わらず材質自体によって決まる数値であるので、断熱材の性能を見る場合には 熱伝導率 ではなく 熱抵抗値 を用いて比較する必要があります。メーカーの表示ではそのへんでトリックを使うので要注意です。
グラスウール断熱材のメーカー「マグ」で調べる素材と熱抵抗値
グラスウール 10K 50mm厚 1.0 (m2・K/W)
グラスウール高性能 24K100mm厚 2.8(m2・K/W)
押出発泡ポリスチレンフォーム(3種)50mm 1.8 (m2・K/W)
ネオマフォーム 25mm厚 1.25(m2・K/W)
このようにネオマフォームはその薄さに比べ熱抵抗値が非常に大きいのが分かります。
あくまでも適材適所ですが、単純比較であれば高密度グラスウールの厚いものを使った方が断熱パフォーマンスははるかによいことがわかります。気をつけましょう。
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