投稿日:2008-07-16 Wed
■□ 夏の屋根裏は灼熱地獄だ □■えーと、昨日は時間切れで予定の所まで記事を書けなかったのでしたね。
今日の午前中は築30年の既存木造住宅の耐震診断のために現地調査を行いました。半日、屋根裏へ大工さんと潜っていたわけですが、真夏の屋根裏はご想像通り灼熱地獄でして正直命懸けです。比較的今日は雲が厚く、涼しいはずだったんですが・・・。情けないことに、すでに体力の限界を迎えています。よく冷えた生ビールを飲んでシエスタ(昼寝)を決め込みたい気分です。左画像:相棒 大工のヤマちゃん
■□ 「反力受け部」の耐力を検証する □■
さて「地盤減震システム」では、あえて「位置復元装置」を内蔵しないことにより「非免震設備」として確認申請手続きを簡略化し大幅なコストダウンをしています。ただし震災後のずれた建物を元の位置へ復旧する手立てとして、油圧ジャッキによる曳き屋が簡単に出来るよう「反力受け部」なるものを基礎構造部分へあらかじめ作っておくことを開発者はアイデアとして提供しています。
今回はこの「復元設備」ならぬ「反力受け部」の話です。
「開発者ビイック」「建築屋の私」「友人M」のやり取りを再開しましょう。
(友人M)> 「反力受け部」の強度は大丈夫なのでしょうか?
> 地震の最中に「建物」と「反力受け部」がぶつかったらどうなる?
なるほど、反力部の設計は基本的に元請側の建築設計に委ねられそうだ。
以前、参考断面図も頂いておりますが、その辺の構造力学的な検討は御社でもしていますか?
⇒ 添付しました写真と図面は実際「地盤減震システム」を導入した施主さんから頂い たものですが、約20ton の耐圧力があります。ただし弊社内では構造計算する専門部署が存在しないため「反力受け部」の設計はしておりません。想定した考え方を設計士へ伝え、設計していただいてる次第です。左画像 : 油圧ジャッキをセットしたところ
左画像 : 台風接近時の強風対策として「反力受け部」とベタ基礎の間に必要に応じて角材を挟みこむ台風が去れば、この角材を取り除く
画像中の取り付けられた電子機器はデータを採取する地震計だそうだ。
■□ もう一度、最初から基本的な力学的事柄を確認してみよう □■

木造2階建ての重量(基礎構造を含む)をおよそ 1000Kg/m2 として総床面積 120m2( 36.4坪 )の建物の重量を 120ton と想定してみると、「地盤減震システム」の滑り材の摩擦係数は0.2と設計されているので水平方向の地震加速度は 980*0.2 ≒ 200Cm/s2 = 0.2m/s2 となる
よって震度5強以上の時に建物に加わる地震力は 120*0.2 = 24ton・m/s2
だから仮に反力受け部が建物構造体とぶつかった場合、最大で 24ton・m/s2 の力が掛かることになる。
そもそも、建物は「反力受け部」にぶつからない十分な余白距離があるという前提でシミュレーションをしています。
過去【記事】を参照する残る不安事項は余震による累積変位量だ。
この「反力受け」(この部分のネーミングをどうにかしたいな)が、いわゆる変位想定範囲を超えないためのストッパーになるかもしれないと考えると1ヶ所で十分な耐力を保持した方が良いかもしれない。
また震災後、位置復旧のために「建物構造体」と「反力受け部」の間に油圧ジャッキを使い負荷をかけるとすればここに 24ton・m/s2 の力が掛かることになる。この力をどう負担するかという設計をすればよいわけだ。
(友人M)> 摩擦係数が0.2で、家を動かすために 24ton の力が必要と試算している
> のに対して、「20トンの耐力があります」と言ってませんか?
> それじゃぁ、家を元の位置に戻そうとしても「家が動く前に折れちゃいます。」
うーん、うっかりしたな。確かにその通りです。設計者は建物を軽く見積もったのかな?ビイックさん、その点はどうですか?
⇒「反力受け部」は2基施工する方がよろしいようです。「反力受け」一箇所の力負担は半分ですみます。また「反力受け」が1基だけですと、建物を平行移動するのに難航する事が予想されます。もし耐力上不安があるのであれば鋼管の径を大きくするか、スチールの肉を厚くするなどして設計して施工すればいかがでしょうか。このように各々の建物の大きさによって妥当な反力受けを設計すべきかと考えます。実際、画像のケースでは施主さんの前でジャッキアップしてみましたが、「反力受け」はみごと計算とおり折れませんでした!!

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